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今年の夏も尾道でワークショップ



この夏も、昨年にひきつづき尾道市でこども向けワークショップを開催しました。

二日連続のプログラムのうち、初日はデジタルはらっぱ仲間の朝倉民枝さんと一緒にワークショップをおこないました。二日目は、福山大学同僚の飯田豊さんや学生によるストップモーション制作のワークショップでした。

この日は、二人一組で開発中の iPad アプリ「ピッケのつくるえほん」をつかって、おはなしづくりに取り組みました。途中おやつタイムをはさんで、なんと約4時間の長丁場となりました。

えほんづくりに入る前に、「ぼくの/わたしのとっておき」を写真におさめて、吹き出しと音声をつけた自己紹介カードをつくりました。わたしは、それぞれの iPad でつくった全員分の「カード」を集約して見せるウェブアプリを、この日に向けて開発していました。ところが当日、一部きちんと動かないところがあり、ご迷惑をおかけしました。個人的な反省点です。

最後に朝倉さんの締めくくりの言葉にあったように、この日出会ったみなさんと尾道のまちで出合ったら、あいさつしたいですね。参加したこどもたち、このワークショップをサポートしていただいたみなさん、ありがとうございました。この夏、全国を駆け巡っている最中にお越しいただいた朝倉民枝さん、どうもありがとうございました。

夏休みメディアリテラシー体験講座
日時:8月7日(日)13:00~17:00
場所:おのみち生涯学習センター(広島県尾道市東久保町20-14)
主催:青少年育成尾道市民会議
協力:福山大学人間文化学部メディア情報文化学科 飯田豊研究室+杉本達應研究室
   メディア・エクスプリモ(JST CREST「情報デザインによる市民芸術創出プラットフォームの構築」

「ピッケのつくるえほん」
タブレット型コンピュータを使って、コブタのピッケや仲間たちを主人公におはなしをつくり、オリジナルの絵本をつくります。当日は、あなたの自己紹介になるような、とっておきのものをひとつ持ってきてください。

講師:朝倉民枝(クリエーター)・杉本達應(メディアアーティスト)

関連リンク
「ピッケのつくるえほん」@尾道 ピッケ活動のレポート
http://pekay.jp/ja/house/report0.html
8/7 尾道で「夏休みメディアリテラシー体験講座」 media exprimo Mizukoshi group
http://www.mediabiotope.com/projects/mediaexprimo/2011/08/87.html

夏休みに読みたい本

こどもの世界では、夏休みといえば読書らしいですね。さいきん読んだ本のなかで夏休みに読みたい本として、つぎの2冊をおすすめします。どちらも小学生の視点で書かれた物語ですが、大人が読んでもおもしろいですよ。

『ハブテトル ハブテトラン』は、東京から母の実家のまちに転校した男の子のおはなし。舞台は広島県福山市松永で、福山在住の自分にとってはご当地モノでした。こちらに引っ越してきて以来、気に入っているおだやかな瀬戸内の海の風景がつたわってきます。

ハブテトル ハブテトラン
中島 京子
ポプラ社
売り上げランキング: 255508

『キッドナップ・ツアー』は、おとうさんにユウカイされた女の子のおはなし。課題図書みたいな説教臭さがないのがお気に入りです。

キッドナップ・ツアー (新潮文庫)
角田 光代
新潮社
売り上げランキング: 38466

まつりをつくるワークショップ

2011年6月と7月の2回にわたって、社団法人呉青年会議所のみなさんとワークショップをおこないました。

「祭り創造プロジェクト〜市民でつくる新しいまつり〜」
6月26日(日) 第1回ワークショップ 
7月30日(土) 第2回ワークショップ
大和ミュージアム会議室(広島県呉市)
facebook ページ:http://www.facebook.com/kurematsuri

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このプロジェクトは、参加者のみなさんとともに「新しいまつりをつくる」という野心的な企画です。さらに、映像制作やソーシャルメディアの活用までふくめた、従来のまちづくり活動にはあまりみられない要素をとりいれた試みもおこなっています。ワークショップでは、ムービーカードチャートイットで、映像づくりや意見集約などをおこないました。

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映像づくりの素材の数は、これまでのムービーカードワークショップのなかで最多だったのではないかとおもいます。参加者のみなさんが、2回のワークショップと幾度かのミーティングをかさねて制作した映像は、すべて YouTube にアップされています。こちらの facebook ページから映像を見たり、コメントを書き込んだりできます。参加者および主催者のみなさんは、いまごろは夏休み返上で準備にとりかかっていることでしょう。

ところで、この機会をいただく以前は、わたしにとって「呉」は、名前だけ知っているまちのひとつにすぎませんでした。今回、呉のまちをすこし回って、はっきりわかったことがあります。呉は、たくさんの見どころや名物がそろったとびきりの観光地だったのです。呉の人たちは、自分のまちのあれこれを自虐的に語ることがあります。そうした発言には、多少の謙遜がまざっているとは思いますが、実にもったいないことです。外から見れば、地元の人にとっての「不便」なことさえ、「魅力」に変わることがあります。そんなまちの潜在的な魅力は、まちの外から人や文化が入っていくことで発見されることもありそうです。呉の人たちは、一見こわもての人が多い気がします(笑)が、じつは気さくで地元をおもう気持ちが強い方ばかりでした。彼らの強い意気ごみにソーシャルメディアからのアイデアが加わって、たのしいおまつりができあがることを願っています。

「ガチdeくれモン」
2011年9月10日(土)
大和波止場(広島県呉市・大和ミュージアムうら)

『奇跡』のパラレルワールド

九州新幹線には反対だったけど、開通しちゃったものはしょうがない。いまでは便利に利用させてもらっています(笑) そんな九州人としては、九州新幹線をお祝いする映画も観ておきたい。

是枝裕和『奇跡』
http://kiseki.gaga.ne.jp/

九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間をめざして旅するこどもたち。現実にありそうな話だけれど、じっさいには開業前日に東北地方太平洋沖大地震が発生した。そのため、映画にあるような平和な「開業前日の夜」は、起きっこない。

地震の前につくられた映画だから、劇中で地震が起きないことはわかっている。にもかかわらず、終始現実の地震のことを考えずにはいられない。設定がリアルすぎるだけに、地震のない3月11日の現実離れっぷりが浮かびあがる。この映画は、311がなかったパラレルワールドのお話なんだ。

素朴に桜島の大噴火を夢見るこどもは、いまだと配慮に欠けるように見えるかもしれない。でも、こどもにとっての大災害は悪夢ではなく、ときに恋しいものだということを思いださせてくれる。ドキュメンタリータッチのこどもたちの会話シーンはとてもよかった。

とりもどす写真、とらない写真

2011年6月4日と5日に、宮城県亘理郡山元町に行きました。この町でおこなわれている「思い出サルベージアルバム・オンライン」という活動を手伝うためです。この活動は、津波で被災した写真とアルバムを持ち主に返すことを目標に、写真の修復と洗浄、複写(写真をデジタルカメラで撮影)をおこなっています。被災した写真は、プリクラ帳や卒業アルバム、結婚式、新婚旅行、赤ちゃん誕生、七五三、運動会の写真など。いずれもプライベートな写真で、住民のみなさんの暮らしや人生がうつっています。家族や親類にとってはかけがえのない写真ばかりです。

思い出サルベージ・オンライン(日本社会情報学会 災害情報支援チーム)
http://jsis-bjk.cocolog-nifty.com/

わたしは、この活動の関係者ではありません。週末に、口コミやネットを通じて知ったプロカメラマンや学生さんなどが日本各地から集まったのです。現地では、初対面のメンバーたちで、いくつかの作業を分担し、手際よく写真の修復作業が進みました。

とはいえ、この一連の作業には大きな困難がともなっています。

ひとつは、写真の量が膨大なことです。いくらやっても終わりがみえてきません。集められた写真は、この町だけで10万枚とも20万枚とも推定されています。

もうひとつは、写真の劣化がすすんでいることです。海水に長期間浸された写真は、表面がふやけ、色がとけたり、はがれおちたりしていきます。さらに気温や湿気の影響で、カビが生えてきていました。汚れている写真は、水の中にひたして洗浄します。ところが、表面を指先で軽くふれただけで色が消えていく写真が数多くあります。いくらていねいにあつかっても、もとのイメージをとどめることは至難のわざです。

どのような写真なのか、こちらのブログに紹介されています。

2011/06/04 複写大会の様子を頂きました@東北(shindoのブログ)
http://shindo.exblog.jp/15689024/

このエントリーに被災地の写真はありません。津波が襲った地区は、作業場所のすぐ近くでしたが、わたしは立ち入りませんでした。一緒に参加したプロカメラマンのKさんは、津波の被害に遭った沿岸部へ車で入ったそうです。しかし、あまりの光景に「とてもここで写真を撮る気にはなれなかった」と話していました。

じつは山元町に行く前のわたしには、被災地の様子をカメラにおさめようという気持ちがありました。でも興味本位で被災地の写真を撮ることは、その土地の人びとを傷つけるかもしれません。そのことをすっかり忘れていました。もちろん大災害の被災状況をしっかり保存することは記録として大切なことです。しかし、外部から訪問した人が記念写真のように撮る必要はありません。

それでもいまの現地の様子が気になる人は、ぜひ現地に行ってみることをおすすめします。ボランティアはまだまだ必要とされています。ここで紹介した活動のように、体力に自信がない人でもできる活動もあります。行き先がわからない人は、住んでいる市町村の社会福祉協議会に相談するとよいと思います。地震から3ヶ月が経過しましたが、まだ震災は続いています。関心をたやさないようにしたいです。