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2012年

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2012年になりました。本年もよろしくお願いします。

今年は年賀状をつくりませんでした。すみません。
このエントリーで新年のご挨拶とさせてください。

広島県福山市に来て、もうすぐ2年になろうとしています。ようやくこちらの生活環境になれてきました。今年は、心を落ち着けてじっくりと活動を深めていきたいと考えています。

このブログはしばらく更新していませんでした。じつは裏では書きかけのエントリーが溜まっている状態でした。今年はこまめに更新できればと思っています。

そして、今年もたくさん旅に出たい!

みなさんにとって心に残る素敵な一年となるようお祈りします。

(写真は2011年8月の佐渡島)

今年の夏も尾道でワークショップ



この夏も、昨年にひきつづき尾道市でこども向けワークショップを開催しました。

二日連続のプログラムのうち、初日はデジタルはらっぱ仲間の朝倉民枝さんと一緒にワークショップをおこないました。二日目は、福山大学同僚の飯田豊さんや学生によるストップモーション制作のワークショップでした。

この日は、二人一組で開発中の iPad アプリ「ピッケのつくるえほん」をつかって、おはなしづくりに取り組みました。途中おやつタイムをはさんで、なんと約4時間の長丁場となりました。

えほんづくりに入る前に、「ぼくの/わたしのとっておき」を写真におさめて、吹き出しと音声をつけた自己紹介カードをつくりました。わたしは、それぞれの iPad でつくった全員分の「カード」を集約して見せるウェブアプリを、この日に向けて開発していました。ところが当日、一部きちんと動かないところがあり、ご迷惑をおかけしました。個人的な反省点です。

最後に朝倉さんの締めくくりの言葉にあったように、この日出会ったみなさんと尾道のまちで出合ったら、あいさつしたいですね。参加したこどもたち、このワークショップをサポートしていただいたみなさん、ありがとうございました。この夏、全国を駆け巡っている最中にお越しいただいた朝倉民枝さん、どうもありがとうございました。

夏休みメディアリテラシー体験講座
日時:8月7日(日)13:00~17:00
場所:おのみち生涯学習センター(広島県尾道市東久保町20-14)
主催:青少年育成尾道市民会議
協力:福山大学人間文化学部メディア情報文化学科 飯田豊研究室+杉本達應研究室
   メディア・エクスプリモ(JST CREST「情報デザインによる市民芸術創出プラットフォームの構築」

「ピッケのつくるえほん」
タブレット型コンピュータを使って、コブタのピッケや仲間たちを主人公におはなしをつくり、オリジナルの絵本をつくります。当日は、あなたの自己紹介になるような、とっておきのものをひとつ持ってきてください。

講師:朝倉民枝(クリエーター)・杉本達應(メディアアーティスト)

関連リンク
「ピッケのつくるえほん」@尾道 ピッケ活動のレポート
http://pekay.jp/ja/house/report0.html
8/7 尾道で「夏休みメディアリテラシー体験講座」 media exprimo Mizukoshi group
http://www.mediabiotope.com/projects/mediaexprimo/2011/08/87.html

夏休みに読みたい本

こどもの世界では、夏休みといえば読書らしいですね。さいきん読んだ本のなかで夏休みに読みたい本として、つぎの2冊をおすすめします。どちらも小学生の視点で書かれた物語ですが、大人が読んでもおもしろいですよ。

『ハブテトル ハブテトラン』は、東京から母の実家のまちに転校した男の子のおはなし。舞台は広島県福山市松永で、福山在住の自分にとってはご当地モノでした。こちらに引っ越してきて以来、気に入っているおだやかな瀬戸内の海の風景がつたわってきます。

ハブテトル ハブテトラン
中島 京子
ポプラ社
売り上げランキング: 255508

『キッドナップ・ツアー』は、おとうさんにユウカイされた女の子のおはなし。課題図書みたいな説教臭さがないのがお気に入りです。

キッドナップ・ツアー (新潮文庫)
角田 光代
新潮社
売り上げランキング: 38466

まつりをつくるワークショップ

2011年6月と7月の2回にわたって、社団法人呉青年会議所のみなさんとワークショップをおこないました。

「祭り創造プロジェクト〜市民でつくる新しいまつり〜」
6月26日(日) 第1回ワークショップ 
7月30日(土) 第2回ワークショップ
大和ミュージアム会議室(広島県呉市)
facebook ページ:http://www.facebook.com/kurematsuri

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このプロジェクトは、参加者のみなさんとともに「新しいまつりをつくる」という野心的な企画です。さらに、映像制作やソーシャルメディアの活用までふくめた、従来のまちづくり活動にはあまりみられない要素をとりいれた試みもおこなっています。ワークショップでは、ムービーカードチャートイットで、映像づくりや意見集約などをおこないました。

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映像づくりの素材の数は、これまでのムービーカードワークショップのなかで最多だったのではないかとおもいます。参加者のみなさんが、2回のワークショップと幾度かのミーティングをかさねて制作した映像は、すべて YouTube にアップされています。こちらの facebook ページから映像を見たり、コメントを書き込んだりできます。参加者および主催者のみなさんは、いまごろは夏休み返上で準備にとりかかっていることでしょう。

ところで、この機会をいただく以前は、わたしにとって「呉」は、名前だけ知っているまちのひとつにすぎませんでした。今回、呉のまちをすこし回って、はっきりわかったことがあります。呉は、たくさんの見どころや名物がそろったとびきりの観光地だったのです。呉の人たちは、自分のまちのあれこれを自虐的に語ることがあります。そうした発言には、多少の謙遜がまざっているとは思いますが、実にもったいないことです。外から見れば、地元の人にとっての「不便」なことさえ、「魅力」に変わることがあります。そんなまちの潜在的な魅力は、まちの外から人や文化が入っていくことで発見されることもありそうです。呉の人たちは、一見こわもての人が多い気がします(笑)が、じつは気さくで地元をおもう気持ちが強い方ばかりでした。彼らの強い意気ごみにソーシャルメディアからのアイデアが加わって、たのしいおまつりができあがることを願っています。

「ガチdeくれモン」
2011年9月10日(土)
大和波止場(広島県呉市・大和ミュージアムうら)

『奇跡』のパラレルワールド

九州新幹線には反対だったけど、開通しちゃったものはしょうがない。いまでは便利に利用させてもらっています(笑) そんな九州人としては、九州新幹線をお祝いする映画も観ておきたい。

是枝裕和『奇跡』
http://kiseki.gaga.ne.jp/

九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間をめざして旅するこどもたち。現実にありそうな話だけれど、じっさいには開業前日に東北地方太平洋沖大地震が発生した。そのため、映画にあるような平和な「開業前日の夜」は、起きっこない。

地震の前につくられた映画だから、劇中で地震が起きないことはわかっている。にもかかわらず、終始現実の地震のことを考えずにはいられない。設定がリアルすぎるだけに、地震のない3月11日の現実離れっぷりが浮かびあがる。この映画は、311がなかったパラレルワールドのお話なんだ。

素朴に桜島の大噴火を夢見るこどもは、いまだと配慮に欠けるように見えるかもしれない。でも、こどもにとっての大災害は悪夢ではなく、ときに恋しいものだということを思いださせてくれる。ドキュメンタリータッチのこどもたちの会話シーンはとてもよかった。