ひろしまメディア文化研究会のお知らせ

2012年3月17日、広島市で開催されるひろしまメディア文化研究会で、これまでの実践活動の事例や地域との関わりについて発表します。この日は、広島アートプロジェクトの今井さんのお話をうかがうのを楽しみにしています。ご関心のある方、ぜひお越しください。

以下、ご案内文です。

3/17 第6回公開研究会「地域でアートを開く、メディア表現を育む」を開催します

今年度最後のひろしまメディア文化研究会のご案内です。

3月17日(土)14時~16日、広島経済大学立町キャンパスで「地域とアート、メディア表現」をテーマにした研究会を行います。

今回は「ムービーカード」や「Chart It!」を開発したメディアアーティストで福山大学人間文化学部専任講師の杉本達應さん、2007年より毎年広島アートプロジェクトを手がける広島市立大学芸術学部の今井みはるさんにご登壇いただきます。

お2人にご活動の報告をいただきながら、アートやメディア表現をより多くの人に開こうとする試みを地域で展開していく上での課題や可能性を探ります。また大学生が地域に関わりながらアート・メディア表現を学んでいく意義についても議論したいと思います。

みなさんのご参加を心よりお待ちしております。

「地域でアートを開く、メディア表現を育む」
■登壇者
杉本達應さん(福山大学人間文化学部メディア情報文化学科)
今井みはるさん(広島市立大学芸術学部現代表現領域)
司会:土屋祐子(広島経済大学)、コメント:匹田篤(広島大学)

■日 時:2012年3月17日(土)14時00分~16時00分
■会 場:広島経済大学立町キャンパス
広島市中区立町2-25 IG石田学園ビル
※広島電鉄「立町」電停から徒歩1分
■主催:ひろしまメディア文化研究会
■参加費:500円(お茶菓子代・資料代)
■事前登録:不要
■問い合わせ:[email protected]

今年の夏も尾道でワークショップ



この夏も、昨年にひきつづき尾道市でこども向けワークショップを開催しました。

二日連続のプログラムのうち、初日はデジタルはらっぱ仲間の朝倉民枝さんと一緒にワークショップをおこないました。二日目は、福山大学同僚の飯田豊さんや学生によるストップモーション制作のワークショップでした。

この日は、二人一組で開発中の iPad アプリ「ピッケのつくるえほん」をつかって、おはなしづくりに取り組みました。途中おやつタイムをはさんで、なんと約4時間の長丁場となりました。

えほんづくりに入る前に、「ぼくの/わたしのとっておき」を写真におさめて、吹き出しと音声をつけた自己紹介カードをつくりました。わたしは、それぞれの iPad でつくった全員分の「カード」を集約して見せるウェブアプリを、この日に向けて開発していました。ところが当日、一部きちんと動かないところがあり、ご迷惑をおかけしました。個人的な反省点です。

最後に朝倉さんの締めくくりの言葉にあったように、この日出会ったみなさんと尾道のまちで出合ったら、あいさつしたいですね。参加したこどもたち、このワークショップをサポートしていただいたみなさん、ありがとうございました。この夏、全国を駆け巡っている最中にお越しいただいた朝倉民枝さん、どうもありがとうございました。

夏休みメディアリテラシー体験講座
日時:8月7日(日)13:00~17:00
場所:おのみち生涯学習センター(広島県尾道市東久保町20-14)
主催:青少年育成尾道市民会議
協力:福山大学人間文化学部メディア情報文化学科 飯田豊研究室+杉本達應研究室
   メディア・エクスプリモ(JST CREST「情報デザインによる市民芸術創出プラットフォームの構築」

「ピッケのつくるえほん」
タブレット型コンピュータを使って、コブタのピッケや仲間たちを主人公におはなしをつくり、オリジナルの絵本をつくります。当日は、あなたの自己紹介になるような、とっておきのものをひとつ持ってきてください。

講師:朝倉民枝(クリエーター)・杉本達應(メディアアーティスト)

関連リンク
「ピッケのつくるえほん」@尾道 ピッケ活動のレポート
http://pekay.jp/ja/house/report0.html
8/7 尾道で「夏休みメディアリテラシー体験講座」 media exprimo Mizukoshi group
http://www.mediabiotope.com/projects/mediaexprimo/2011/08/87.html

まつりをつくるワークショップ

2011年6月と7月の2回にわたって、社団法人呉青年会議所のみなさんとワークショップをおこないました。

「祭り創造プロジェクト〜市民でつくる新しいまつり〜」
6月26日(日) 第1回ワークショップ 
7月30日(土) 第2回ワークショップ
大和ミュージアム会議室(広島県呉市)
facebook ページ:http://www.facebook.com/kurematsuri

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このプロジェクトは、参加者のみなさんとともに「新しいまつりをつくる」という野心的な企画です。さらに、映像制作やソーシャルメディアの活用までふくめた、従来のまちづくり活動にはあまりみられない要素をとりいれた試みもおこなっています。ワークショップでは、ムービーカードチャートイットで、映像づくりや意見集約などをおこないました。

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映像づくりの素材の数は、これまでのムービーカードワークショップのなかで最多だったのではないかとおもいます。参加者のみなさんが、2回のワークショップと幾度かのミーティングをかさねて制作した映像は、すべて YouTube にアップされています。こちらの facebook ページから映像を見たり、コメントを書き込んだりできます。参加者および主催者のみなさんは、いまごろは夏休み返上で準備にとりかかっていることでしょう。

ところで、この機会をいただく以前は、わたしにとって「呉」は、名前だけ知っているまちのひとつにすぎませんでした。今回、呉のまちをすこし回って、はっきりわかったことがあります。呉は、たくさんの見どころや名物がそろったとびきりの観光地だったのです。呉の人たちは、自分のまちのあれこれを自虐的に語ることがあります。そうした発言には、多少の謙遜がまざっているとは思いますが、実にもったいないことです。外から見れば、地元の人にとっての「不便」なことさえ、「魅力」に変わることがあります。そんなまちの潜在的な魅力は、まちの外から人や文化が入っていくことで発見されることもありそうです。呉の人たちは、一見こわもての人が多い気がします(笑)が、じつは気さくで地元をおもう気持ちが強い方ばかりでした。彼らの強い意気ごみにソーシャルメディアからのアイデアが加わって、たのしいおまつりができあがることを願っています。

「ガチdeくれモン」
2011年9月10日(土)
大和波止場(広島県呉市・大和ミュージアムうら)

デジタル伝言ゲームにチャレンジ!

2010年11月21日、広島市で、ケータイを使ったこどもむけワークショップを行いました。福山大学で同僚の飯田豊さん、福岡のNPO法人子ども文化コミュニティの高宮由美子さんと一緒です。主催は、広島のNPO法人子どもコミュニティネットひろしまです。

メディア表現によるコミュニケーションスキルアップ講座
デジタル伝言ゲームにチャレンジ!!

日時:11月21日(日) 10:00~13:00
会場:広島市女性教育センター(WE プラザ 大会議室)
対象:小学生20名 (保護者、大人の見学可)

飯田豊(福山大学人間文化学部メディア情報文化学科 専任講師)
杉本達應(福山大学人間文化学部メディア情報文化学科 専任講師)
高宮由美子(NPO法人子ども文化コミュニティ 代表理事)

http://www.kodomo-net.jp/20101120.html

ワークショップには、なんと札幌や大阪からも参加者が集まりました! また、前日のフォーラムで講演されていた携帯電話研究家の木暮祐一さんも見学に来られていました。参加者のみなさん、どうもありがとうございました。

伝言ゲームっておもしろい!

今回のワークショップでは、いろんな伝言ゲームで、情報を伝えることに挑戦しました。

  1. ことばによる伝言ゲーム
  2. イラストによる伝言ゲーム
  3. ケータイによる伝言ゲーム

ところで、伝言ゲーム、やったことありますか? 知ってはいても、実際にやる機会は意外とすくないかもしれません。でも、やってみると、楽しいし、おもしろいことがよくわかりました。伝言している途中で、ちょっとした音が変化したり、情報が欠落したりしていきます。人間の記憶力や心理、情報のあいまいさ、メディアの役割など、いろんなことを考えさせてくれます。

ことばによる伝言ゲームのお題は、「いつ、どこで、だれが、なにを、どうした」といった形式がよいようです。さらに、「○○だって」「○○らしいよ」と伝聞の形にすると、噂やニュースっぽくなりますね。難易度を上げるには、細かな修飾語をつけるといいです。たとえば、「財布を落とした」ではなく、「5000円とカードが入っていた黒い革製の財布を落とした」とか。

お絵描きによる伝言ゲームでは、言葉にたよらず、前の人が描いたイラストを短時間見たあとに、描き直して情報を伝えていきました。お題は「おいしいたいやき」だったのですが、ひとつのグループで、「おいしいおさかな」に変わってしまいました。イラストの途中経過を観察すると、湯気の線が波に、お皿の線が水槽になっています。

最後のケータイを使ったゲームは、グループごとに街に出ていきます。時間の制約もあり、バケツリレー方式で伝えるのではなく、隣のグループだけにお題を伝える連想ゲームです。お題をケータイで伝えるために、ヒントの写真を撮って、隣のグループにメールを送ります。ヒントの写真を受け取ったグループは、その答えを紙に書いた写真をメールで回答します。送られた答えが正解か不正解か判定して答えるのも写真メールです。お題が届くところから、すべてが、ケータイ写真メールのやりとりだけで進んでいくゲームです。

お題は、漢字一文字ということだけがわかっています。実際に出されたお題は、「海」「風」「波」「星」。どのお題も、昼間の街中で、そのものを写真に撮ることができないものばかりです。そのため、お題に似たようなものや、お題を連想できるイメージを探さなければいけません。

このゲームでは、限られた時間で、かなり難しいお題のヒントを探すだけでなく、届いたヒントから答えを探ることもやらなければいけません。それぞれのグループの様子を観察していましたが、みんなとても苦労していました。ところがなんと、すべてのグループが正解にたどりつきました。こどもたちの伝える力と想像する力はすごいですね。

ケータイって使いにくい!

さて、ワークショップの前日の深夜に、ホテル近くのファミレスで、打合せと準備をしました。ゲームで、写真メールを送りやすくするために、ケータイ1台ごとに、「ヒントをおくる」と「こたえをおくる」専用のメールアドレスを事前に登録しておきます。このアドレスは、前後のグループのケータイへ届くとともに、同時に会場のPCにも転送されるように設定しておきます。

この登録設定作業に、思いのほか手間どりました。わたしは、ケータイ打ちがもともと不慣れだったこともありますが、ふだん iPhone に慣れていると、従来の携帯電話の操作がとても面倒です。写真を撮ってメールを送るだけのシンプルな操作をするにも、何度もボタンを押さなくてはいけないんですよね。この時、飯田さんが、深夜に同機種のケータイを何台も並べていじっている姿は怪しいよねとつぶやいていましたが、確かに怪しい面々に映ったことでしょう(笑)。とはいえ、この前日の仕込みのおかげで、当日は問題なく動作していました。

ところで、今回使ったケータイは、主催の子どもコミュニティネットひろしまに、事前に準備していただいたものです。短期間のイベントなどに貸し出している携帯電話レンタルサービスを利用して有料で借りたとのこと。今回のワークショップは、ケータイを活用して、こどもとケータイの関係を考えなおすことができます。こどもとケータイの関係が社会的に注目されているなかで、こうした地道な活動こそ、通信事業者が積極的にサポートしてほしいものです。主催者の方は、通信事業者にも協力を依頼したそうですが、あっさり断られたようです。そもそも地方には事業者のCSRの窓口もありません。

ちなみに今回のケータイの機種がいつごろのものか気になっていたところ、木暮さんに数年前の古い機種だと教えてもらいました。さすがコレクターだけあって、一目でわかることにびっくり。そして、数年前で古くなってしまうケータイの製品サイクルの短さにも驚きます。現在進行形で次々と新しくなる機器に対して、わたしたちは、その面白さにのめりこんだり、危険や不安を感じたりしています。ときには、こうしたイベントを通じて、新しい技術に没入したり反発するだけでなく、じっくりと考えてみるのもよいですね。

次回もあります

子どもコミュニティネットひろしまでは、メディア表現のワークショップを連続して行っています。次回は、2011年1月に、朝倉民枝さんピッケの絵本づくりなどが行われます。詳しい内容は、後日子どもコミュニティネットひろしまのWebサイトに掲載されるとのこと。広島のこどもたちに、ぜひ参加してほしいです。

関連リンク

ビオンショをハックする!

2010年10月2日に、ICTEメル・プラッツが共催した研究会で発表しました。開催地は広島県福山市でしたが、遠方もふくめて全国各地から多数の方にご参加いただき、ありがとうございました。

このところ、まったく余裕がなかったので、こちらで報告するのがすっかり遅くなりました。もう1ヶ月ほど前のことですが、せめて10月中に、ということで、思い出しながら書いています。

はじめに、司会である同僚の飯田豊さんから、今回の企画の意図の説明がありました。
おなじく同僚の内垣戸貴之さんから、デジタル教材にいたるこれまでの教育実践の流れと、総務省のフューチャースクール推進事業の実験の紹介がありました。また、実験の小学校で使われているこどもむけの専用端末が披露されました。(わたしはさわれなかったのですが、ずいぶん重そうでした…。)
関西大学初等部の田邊則彦さんは、先進的な教室や授業や、現場の教師が抱えている問題を紹介されました。
メル・プラッツの林田真心子さんからは、メディアの「送り手」研究をされている立場から、メディアと同様、学校のなかでも固定的になりがちな関係を乗り越える提案がありました。

わたしは、ムービーカードワークショップの紹介や、デジタル教材を創造のツールにするために、利用者が遊ぶ余地をふくむ「ハッカブル」な設計思想が大切だという発表をしました。ただ、ムービーカードそのものの説明を省きすぎてしまい、仕組みがよくわからなかったかもしれません。

ところで、今回のセッションの前に、学習指導要領の解説セッションもありました。高等学校の情報科は、「情報A」「情報B」「情報C」の選択から、「社会と情報」「情報と科学」の選択に変わるそうです。学習指導要領は、およそ10年ごとに改訂されるそうで、現場の先生方は、そのたびに指導要領を読みこむんですね。大変そうです。「情報科」の教科書の見本本をいただいて中身を見たのですが、なかなか難しい内容が入っていますね。「ハッカー」と「クラッカー」の説明も載っていてびっくりしました。

学校教育の話は、ふだん聞く機会がないので、とりわけ興味深かったです。セッション中には、聞いたことのない専門用語が飛びかっていました。そのなかでも、もっとも耳に残った言葉が、「ビオンショ」です。「芸術」は、「美術」「音楽」「書道」を選択します。その3科目を頭文字で略すと、「美音書(び・おん・しょ)」。単に事務的な略語なんでしょうけど、「ビオンショ」という軽い響きは、芸術とはほど遠い感じがしますね。門外漢のわたしは、「ビオンショ」に情報科の内容をミックスしたら、おもしろいのではないかと妄想していました。メディアアートに、電子音楽、電子書籍…、ほらいけそうでしょ?(笑)

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イベントの詳細は、こちら。 続きを読む ビオンショをハックする!