電子楽器の寿命


先日、ある作曲家の方とお話しました。音の世界はまったく縁遠いのですが、いろいろと刺激をいただきました。

電子楽器を認めるかという話題になって、その方は、「芸大に、その楽器を専攻する学科がなければ、楽器が存在しているとはいえない」と答えました。最初は、なんて権威的な答だろうと、少しがっかりしたのですが、そうでもないことがわかりました。

お話によれば、フランスはこのあたりのことを戦略的にやっていて、電子楽器の開発からその演奏家の育成までを公的な芸術教育機関で行なっているそうなのです。20世紀後半から、電子的な新しい楽器が大量に生まれていますが、演奏家がいなければ、楽器そのものが途絶えてしまいます。フランスでは、その楽器の持続を目論んでいるわけですね。次の世紀に、ひとつでもフランス初の楽器が残れば万万歳というわけです。

なるほど、この視点はありませんでした。楽器の寿命というのは、たしかに演奏家がいるかどうかにかかっています。それを公的にサポートするという文化政策の可能性もあるのですね。電子楽器はいろいろな音を出すことができますから、音の面では新味がないかもしれません。ですが、インターフェイスについては、まだ発展の余地があるのではないでしょうか。

私を含め、楽器を弾けるようになりたい人はたくさんいるはずです。近い将来、簡単に弾ける楽器が登場することを願っています。