奨学金を返した(その1)


日本学生支援機構(貸与当時は日本育英会)の奨学金の返還を完了した。

といっても大学分のみだ。わたしは、高校、大学、大学院と3回も貸与を受けたので、そのうちの1つの返還を終えたことになる(のこり2つは返還中)。貸与終了後は在学猶予を申請し、返還を延ばしてもらっていた。とはいえ貸与奨学金は借金である。借りたものは返さねばならない。

ところでわたしの親は、わたしが高校で奨学金を借りていたことなどすっかり忘れているようだった。「長男のときは借りて返したけど、あんたのときは借りてなかった」といっている。四男ともなるとそんなものだろう。わたしは高校から借りていたことだけはしっかりおぼえている。ただ、そのときのお金のゆくえは思いだせない。

奨学金がなければ進学できなかった身なのでもちろん恩義はあるが、残念ながらこの団体に対する好意はもてなかった。電話窓口はつながりにくいし、オンラインで状況照会できるシステム「スカラネット」もおそろしく使いにくい。返還をしやすくしようというサポートや、奨学生へのあたたかな気持ちなど、これまでひとつも感じたことがない。奨学生とのコミュニケーションのとりかたしだいでは、団体や活動への愛着がうまれ、返還額以上の寄附を獲得することも可能だろうに。

今回は報奨金が受け取れるようなので、スカラネットで残額の一括返還を申込んだ。電話は面倒なのでネットで手続きをすませる。はがきで届いた「奨学金返還完了のお知らせ」に、報奨金の額(繰上げ分の10%)が記載されていてほっとした。

報奨金制度はすでに廃止されている。そのため直近で借りた大学院の分は月賦でこつこつ返還することにしている。返還完了は2030年の見込み。50代も半ばのころだ。こんなに長くかかるとは思ってもみなかった。

奨学金返還の口座振替には「リレー口座」という愛称がついている。返還された奨学は後輩奨学生の奨学金としてリレーされるからだ(本当なのかな? あなたの返還金はこうなりましたよというレポートくらい送ってほしいものだ)。

奨学金返還とは別に、あしなが育英会への寄附を毎月つづけている。東日本大震災をきっかけにはじめた。もうすぐ6年になる。

いずれのお金も、いまの若い人たちの糧になるように祈っている。

(その2・その3につづく、かもしれない)

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