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Exploratoriumがすごい!


WWDC参加のためサンフランシスコへ行ってきましたが、合間をぬって観光もしてきました。

そこで最も印象にのこったミュージアムが、エクスプロラトリウム(Exploratorium)です。
http://www.exploratorium.edu/

Exploratoriumは、体験型のミュージアムです。
さまざまな科学的な実験を手軽に体験できる展示がたくさん揃っています。
展示は、知覚に訴えるもの、映像や音声などのメディア表現に関するもの、さまざまなバリエーションがあります。
入場者は、こどもはもちろん、大人もたくさん来ていました。

いくつか気に入ったポイントです。
・巨大な倉庫という建築
・展示物を制作している工房workshopが来館者に丸見えなこと
・完全に大人向けの解説文
こどもが親に意味を聞いたり、親が教えたりすることを、うまく促しています。
・基本的に放任
親切な解説員はいません。遊び方は自分で見つけろ!
日本ではぜったい触らせないような、ちょっと危ないものもある。それもいい経験だ!

ちょうど会期中のMIND展は、単純な科学展示のみならず、社会的な問題、認知やステレオタイプにまで言及している意欲的な内容で、非常に興味深かったです。

ミュージアムショップに「Exploratorium Cookbook」というシリーズ書籍がありました。
この本では、Exploratoriumの展示物のしつらえが詳細なイラストと解説文の完全引用で構成されています。
とても欲しかったのですが、1冊100ドル以上もしたので購入は断念。
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サンフランシスコへ観光される方へ、1日はExploratorium訪問に費やしてもいいと思いますよ。

WWDCへ

Appleの開発者会議WWDCへ行ってきます。
今年の注目は、3G iPhoneとiPhone SDKですね。
今後のMac OSのロードマップも発表されると思います。
iPodで成功したAppleは、消費者も開発者も囲い込もうと、独自のコンテンツ流通プラットフォームを固めてきています。
iPhoneアプリケーションの「正式な」自由流通は、セキュリティの理由もあって、望めそうにありません。
Apple – iPhone – iTunes Music Store – App Storeという連なりは、日本のキャリア主導の携帯業界とは違うメーカー主導の「垂直統合」です。
なんだか、コンシューマゲーム機のプラットフォームに近いですね。
自由な流通をよしとするPCプラットフォームの文化とは大きく異なりますが、この体制はこの先も続くのか、興味があります。

市民メディアセンターMediR

市民メディアセンターMediRが高田馬場にオープンします。
Webサイトをみても、どんな組織かいまひとつ分かりませんが、面白そうな講座が開かれるようです。

MediR
http://medir.jp/

市民メディアセンター「MediR」オープン – JanJanニュース
http://www.news.janjan.jp/media/0805/0805237753/1.php

メディア社会をどう生きるか

こんなセミナーが開催されます。

岩波市民セミナー メディア社会をどう生きるか
TVキャスターなど多彩な活躍を続け,メディアの問題点あるいは可能性について深い洞察をもつ下村健一さんとともに,メディアといかに付き合うかを考えていきます.
マス・メディアにおける報道のあり方が問われて久しくあります.事件の当事者に対して感情的なバッシングが繰り返されるなど,報道による被害も後を絶ちません.一方,インターネットの急速な普及を背景に,メディア自体の環境も激しく変化してきています.こうした状況にあって,市民はメディアといかに付き合うかが,問われています.
下村さんは,TBS時代から現在まで,「もう一つの視点」の重要性を説き,通常のニュース報道が見落としがちな点を深く掘り下げ,独自の取材・リポートを続けてきました.同時に,現在,市民メディア・アドバイザーとして,市民が主体的に関わるメディアの立ち上げや,メディア・リテラシー教育の普及を支援するなど,幅広い活動を続けています.
本セミナーでは,各回とも前半に下村さんが自らの取材体験などをもとにメディアの現状について考察し,後半では,報道被害者や市民メディア実践者など様々なゲストを交え,毎回のテーマについてさらに具体的に掘り下げていきます.
http://www.iwanami.co.jp/seminar/citizens/080602.html

研究所の一般公開に必要なデザイン

NHK技研一般公開に出かけました。

エンジニア風のお客さんが多かったです。
たくさんの解説員の方がていねいに解説されていて好感が持てましたが、一方で展示内容は私を含む一般の人には難しすぎてよく理解できませんでした。
学会発表ではないので、難しい用語は極力さけてほしいものです。
とくに週末は、誰でもわかるレベルに落してほしいなと感じました。

例えば、プロジェクターの説明。
ラティチュードとかコントラスト比といった用語を使わなくても説明できるはずです。
再現可能な輝度範囲を模式図で見せてくれたら、すぐに理解できるのに、そのような図はありません。

研究所の一般公開には、技術開発と一般生活の接点をつくる面白いデザインの可能性があると思います。
一般のお客さんとどう関わるかで、来場者が感じる組織の印象は一変するはずです。
こんなものがあるといいなと思いました。
・その技術で将来どう良くなるなるかの未来予測(ユートピアでもいいので)
・研究の背景・文脈を理解するための、これまでの技術革新・研究の流れがつかめる年表
・お客さんの素朴な疑問に答えたり議論できる場としての「エンジニアリングカフェ」

それから、コンテンツについて。
いくら開発中とはいっても、コンテンツにも気を配ってほしいものです。
スーパーハイビジョンのコンテンツが、「日本遺産」(自然風景+交響楽)では未来がありません。
新しい技術で可能になる「新しい表現」を提案してほしいです。
それには、開発中であってもデザイナーやアーティストと取り組む意義があるのではないでしょうか。

最後のほうに、面白い研究がありました。
これ以上の高精細化は、人間の視力にとって必要ないのではないかというものです。
たしかにそう思います。
技術と人間の関係については、あのまぶしい画面が人の目に与える影響も研究してほしいです。
携帯ディスプレイを見つめつづける私たちは、そのために視力が低下している気がします。

まだ発展途上の分野もありますが、大型化、高精細化については、人間のつきない欲望が、そろそろ飽和点に近づいてきた。そんな印象を受けた展示でした。